構え
去年の春から「料理写真教室」なるものをはじめました。
友人の奥さんが料理教室に通っており、そこの先生がブログやホームページ用に写真を撮りたいのだが、料理写真の教室が見つからず、それなら自分が作ってしまおうと思ったのがきっかけでした。
この話がはじまる少し前に、ある料理写真家と仲良くなり、SNSで「Food Foto Factory」というコミュニティを一緒に立ち上げた直後のタイミングだったと思います。
僕らの仕事は広告だったら商品を買ってくれた人、雑誌だったら読者がよろこんでくれることが最大目的だと思っています。
ところが、この世界にいるとプロのこだわりとかに触れることはできますが、最終的に見てくれる人の感覚がつかめないということがよくあります。
ぼくにとってコミュニティの存在は双方が刺激し会える得難い場所でしたし、料理写真の教室も同じ感覚でした。だからお金をもらう仕事というよりも、自分を磨く場所だと思っています。
だから料理写真教室は楽しいんですね。
おっと、話がそれました。
さて本題。
料理写真教室に来る人は写真やカメラが好きで通っているわけではありません。
自分の料理や食べ歩きの写真を記録以上のものにしたいと思っている人がほとんどです。
つまり写真に関する知識は初心者。
なので、こちらが常識だと思っていることを質問されて面食らうこともあります。
カメラの構え方もそのひとつ。
料理写真を撮るのには三脚を使う方がいいし、そういうふうに教えています。
でも、写真は手持ちで撮るものだと考えている人が多い。いや、ほとんどかもしれません。
仕事では100%と言っていいくらい三脚を使っているし、DSLRが出現するまで35ミリサイズのカメラは使わなかったので、じつは僕も構えに関しては素人に近い。
駆け出し時代に海外のワークショップで写真の勉強をしたことがありますが、そこで最初に教えられたのはブレにくいカメラの構え方で、ストラップの長さを腕に巻き付けてカメラが顔に密着するように調整して撮るというものでした。
以来、大判や中判しか使わなくなったので・・・知識だけ。
数をこなさないと技術にはならなりません。
日常を切り取るような写真は前述の料理写真家から刺激を受けてはじめてみたので2年足らずのキャリア・・・
そこで、いろいろ調べてみました。
とくに聞かれるのは勧めている縦位置での構え方。
シャッターを押す右手を上にして左手でボディを支えるのか、あるいはその逆なのか、どちらが正しいんでしょう? と・・・
決まりはないと思うのだが、機械だから設計者の考えはあるはず。
たとえば中判カメラの名機ハッセルブラッドはカメラを支える左手でシャッターを押すようにとインストに書かれています。
(縦横関係ない6×6の話ですみません)
ところが、右手の人差し指でシャッターを押している人が多い。
正統なんていうものにはこだわりたくないし、その人が使いやすいのなら、それが一番だと思います。
にもかかわらず、やはり人に教えるとなるとベーシックは知っておくべきだろうと考え、DSLRの取説を開いてみました。最初の方のページなど読んだことがなかったので新鮮でした。
キヤノンの説明書では右手が上スタイルになっています。
「片足を軽く踏み出して、体を安定させます」なんて書いてあるのがおもしろかった。
なるほどなぁ・・・
他のメーカーはどうなんだろう?
ネットで調べてみたらニコンも右手が上になっていました。そんなものかもしれないと思っていたら・・・
さすが・・・というかジャーマン魂というか・・・ライカM4のインストには両方記載されているのを、先日FOTOCHATONで発見しました。
でも・・・使っている目が違うぞ・・・
写真映えの関係でこうなったんでしょうね(笑)
M3のインストでは・・・やはり右手が上ですね・・・
いずれにせよ・・・ここ2年ほどプライベートなスナップを撮ってきた経験だけで言わせてもらうと・・・脇が締まっていることが重要なんだと思います。
スポーツと一緒ですね。