フレーム

まだ十数回のエントリですが、このブログに載せる写真はノートリミングでお見せするように心がけています。

フレーミングは写真家の主張ですが、普段の仕事はレイアウト優先ですから、この場を借りての訓練という意味もあります。

有名デザイナーO氏が手がける雑誌の仕事をしていたときのことです。写真を切らずに使うので撮影のときは気合いが入ったのを覚えています。デザインのスタイルと言ってしまえばそれまででしょうが、カメラマンのことを「写真家」と呼び一緒に表現をする仲間としてフレームを尊重してくれる姿勢はうれしいものでした。

1980年代のことだと記憶していますがトリミングをしていないことを証明するため余黒のあるプリントが流行ったことがあります。

ご多分に漏れず僕も真似したのですが、ファインダーを覗きながら絵作りをする楽しさというか緊張感がいっそうのものになりました。

こういうプリントをするにはネガキャリアの枠というか窓が撮像面以上に大きくなければなりません。バロイなどの例外はありますが普通の引き伸ばし機に付属しているネガキャリアは撮像面よりほんの少し狭くなっているのが普通でした。

オメガを使っていた僕は金ヤスリを使ってネガキャリアの窓を拡げたのですが、分厚いアルミ地だったのできれいに削れなかったし、指先では感じられないバリができてネガを傷つけてしまい、涙を呑んだものでした。

そこで銀一のKさんに相談したのです。彼はカメラ屋さんと言うより機材コンサルと呼んだ方がよく、名だたるカメラマンの機材メンテナンスから改造までを担当している人でしたが、僕のようなペーペーにも懇切丁寧かつ的確なアドバイスをしてくれてありがたかったです。

機械を使えばコンマ1ミリ単位で窓の大きさを決められるし、テーパー加工をすれば乱反射による周辺のムラも解決できるとアドバイスされ、持っていたネガキャリア全てを加工してもらいました。ダメにしたものは新しく買い求めたのですが、型が古い僕のオメガにも当時のネガキャリアが使えるのに感心しました。機材ってこうあるべきですね。

と、先日、写真家の永嶋さんとお話をしていて思い出したことをつらつらと・・・

古い写真はほとんど残っていないのですが・・・実家から出てきたものを参考まで。

浅間山へ撮影に行ったときのスナップです。

右側に写っているのはFOTOCHATONオーナーの井上さんです。

彼が手にしているローライSL66にはベス単の玉が・・・マニアック(^。^)

二十数年前の写真ですが、マウントアダプターブームの一翼を担った彼のルーツが垣間見られます。



僕はと言えば・・・

ハッセルで撮ると左側にV型の切り欠きがあって、それがちょっと自慢でした。

ミーハーですねぇ・・・(苦笑)