湯気

料理写真を趣味にしている方から「湯気はどうしたら写るの?」とよく聞かれます。

一番大切なのは、できあがりの直後に撮るということです。

料理を置いて、それからカメラを構えるのでは間に合いません。

ですから、空のお皿を使って撮る場所やアングルを決め、三脚でカメラを固定しておくといいでしょう。

湯気は30秒ほどで消えてしまうので、その間が勝負になります。

料理写真の基本は逆光ですが、色の薄いバックを使うと写りにくいので注意しましょう。

湯気は生き物のように動いているので何枚も撮って後から選ぶことも大切です。

シャッタースピードが速いと漂う感じが出ないので1/30以下がいいです。

できれば寒い部屋の方がきれいに写ります。



広告の仕事の場合、食べられない、熱くない料理を撮ることが多いです。

そういうときは別の湯気を使います。

昔はドライアイスを使う人が多かったのですが、空気より重いので下に流れてしまい自然に見えるよう撮るのには、いろいろ工夫をしなくてはなりませんでした。

ある写真プロダクションがアメリカ製のクリーニングに使う大きなスチーマーを使いだしたのはCMの流れだったように記憶しています。本物の湯気なのでリアリティがありました。

タバコの煙を使う方もいたようですが・・・試してみたら色が違うので僕は使いませんでした。

いまではフォトショッププラグインで使える湯気用のブラシツールなどがあり後処理で湯気を作るのが主流になってきました。形や量をコントロールできるので便利です。何枚も撮る手間も省けるので現場の効率もよくなります。

それでも一発で湯気を撮って欲しいとリクエストされることがあります。

そういうとき便利なのがテレビ通販などで売っているスチーマーです。

鍋などの撮影には重宝します。ただ、味噌汁など器が小さいもののときは派手に出過ぎるので・・・そういうときはスモークテスターという空気の流れを見るために作られた道具を使います。

色も自然で、量の調整もしやすいです。

こんな感じに仕上がります。

ご参考まで。