嫁にはやらぬ

高校時代からの友人である「田村写真」の田村さんからユニバーサルヘリアーを貸して欲しいと電話が・・・

聞けば「8×10カメラななかまたち」のメンバーにすすめたらしい・・・テストしてみたい人がいるって・・・

「売る気はあるのか?」とも・・・

ここのところ、ちょっと事情があって大判での作品撮りはやっていませんが、あくまで中断であってやめたわけではないので売るつもりはありません。

でも、機材は道具だから使ってあげなきゃかわいそうだし・・・ケースにしまったままだったので2年ぶりくらいに出してみました。

前玉の口径だけでも10センチくらいあり、ガラスと真鍮のかたまりみたいなレンズなのでとても重い。

一般にはソフトフォーカスレンズとして認知されていますが、前群の位置を変えることによってソフト効果も得られる万能レンズというのがメーカーであるフォクトレンダーの宣伝文句でした。

フォクトレンダーは写真の元祖であるダゲレオタイプをペッツバールと販売した歴史あるメーカーで創業は1756年まで遡ることができる名門ですが、現在はコシナが商標を取得して新しい時代を迎えています。

ユニバーサルヘリアーは艶のある描写で人気を博した銘玉です。

その昔、マレーネ・ディートリッヒポートレートの多くがこのレンズで撮られたとも言われています。

僕が持っているものは「Universal」の表記がないのでごく初期のものでしょう。たぶん1920年代のものだと推測しています。レンズが「鏡玉」と呼ばれた時代のものですね。

写真は1965年のカタログです。僕が写真をはじめたころのコマーシャルフォトにも広告が載っていたと記憶しているので息の長い商品だったのですね。

嫁に出す気はありませんが、どうぞ使ってみてください。